2002年8月8日(木)〜9日(金)
山荘は静かな夜だった(いびきの大きな人がいなかったということ)。
翌朝、隣のガサゴソする音で目を覚まし時計を見ると4時を指していた。
朝食は5時15分からなのでしばらく横になっていたが、そうだご来光(04:55)をと思い、急ぎ起きる。
1リッター150円の水で洗顔。昨夕西の空に輝いた宵の明星が今日の晴天を約束してくれた通り、山荘の廊下から立山連山、剣岳のピラミダルな容姿が雲一つない空と共に眺められる。
唐松岳の山頂にはご来光を求めて沢山の登山者が登っているのが見える。
強風で寒い中なのにたのもしいものだと感心する。
風速20mの強風だが快晴
夜半からテレビの天気予報(強風注意報)に違わず強まった風はビュービューとうなりをあげている。
キレットを無事通過出来るかどうか不安になる。
以前北岳で台風の影響下、強風と降雨のため2日間停滞を余儀なくされたことが思い出される。
朝食後もどうしようかな、弱気になって五竜岳の方へコースを変更しようかなとか思案したが、
今回の縦走は不帰ノ嶮を目的としているし幸い雨は無いので自分の経験から判断して予定通り不帰ノ嶮へ向う。
(06:00)山荘を出発する。
白馬への縦走者は見当たらない。コマクサに別れをして、唐松岳を目指す。15分くらいで山頂へ着くのだが、強い西風に身体を吹き飛ばされそうになる。
帽子はきつくゴムで首に止めてあるが、吹き飛ばされるので手で押える。
誰もいない山頂には100点の展望が待っていた。
富士が雲海に浮かぶ
さえぎるもの無くまわりの山が全て見渡せる。
富士にあこがれ、富士に登り、ふるさとの富士を訪ねている私だけでなく富士は皆んなのあこがれの山。
この富士が雲海上に見事な三角形の姿を浮かべる。
その左には八ヶ岳、右に南アルプスが浮かぶ。後立山連山は北に白馬鑓ケ岳、南に五竜岳、鹿島槍ケ岳がつづき、剣、立山は勿論のことで、その奥には槍ケ岳、穂高、金沢の白山も見えるほどだった。
この数年私のアルプスは天気が悪かったので展望派の私は大満足であった。
唐松岳からの尾根上はあいかわらずの強風に注意しながら、三峰、吊尾根、二峰のはしごやクサリ、一峰から不帰ノ嶮への岩場を慎重に通過、キレットに(08:00)着。
ここで水分を補給の休憩を10分くらいとり天狗の頭への大上りへと進む。この大上りで何組かのパーティと出会う。
天狗の頭への大上り(下る時は大下り)とはよく名付けたもので、ひどく急な坂がジグザグにつづき苦しいもの。
風当たりが強くほとんど砂礫と岩ばかりの天狗の頭であるがこの付近には、このような環境をこのむコマクサの群落がある。かわいいピンクの花は風に揺れている。
天狗の頭(10:30)、雪渓から融けた水が小池になっている所の天狗山荘(11:00/20)で同年輩の方と交流し、白馬鑓ケ岳を目指す。鑓ケ岳の岩は風化して細かくなりハイマツなどの高山植物も生えない石ころばかりの白い山である。
山頂までのジグザグに付いた登山道が疲れた足にとってまた苦しいものとなった。
10歩くらい歩いては止りの繰り返しで(12:20)山頂に着く。
山頂からは鑓ケ岳の奥で今まで見えなかった杓子岳、白馬岳を望む。
西には毛勝山、能登半島と富山湾や日本海に流れる黒部川の河口もくっきりと眺望できる。
カメラだけもった若い男女が足取軽く登ってくる。
問えば「白馬山荘で働いています」とのこと。白馬山荘からここまで1時間半で来たと言う。
この言葉であともう少しと内心喜んだが、私が山荘へ着いたのは2時間15分かかって午後3時であった。
村営頂上宿舎の予定が
さきほど鑓ケ岳で会った若い二人の「白馬山荘も空いているので予約無くても泊まれます」との勧誘で白馬山荘に行く。
この日村営の方は70人くらいの宿泊客だったそうだ。
サービスも料金も同じなので次は空いている方へ泊まろう。
大雪渓を猿倉へ下る
翌朝4時起床、5時朝食、霧雨で寒い。(06:00)白馬岳山頂はあきらめ大雪渓を下る。
雨は降ったり止んだり、かっぱも暑いので着たり脱いだり。
アイゼンは付けなくても歩けそうだったが、ころばぬさきの杖と考え装着したので、快適に歩く。
白馬尻(08:50/09:00)、猿倉(09:45)と痛いひざをかばってのろのろ歩き。ガーデンの湯までタクシーに乗る(3640円)。
バスは@980円だから4人乗れば@900円と安い。
褐色の塩の道温泉で3日間の汗にまみれた身体をすっきりとさせる。
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白馬塩の道温泉
「ガーデンの湯」 600円 フォッサマグナに2500万年もの間封じ込まれた温泉は、空気に触れると褐色に輝く。露天風呂あり、サウナ、休憩所あり。(白馬駅より徒歩15分)
うまいもん
「そば神」 ざるそば 900円 (白馬駅より徒歩3分)
白馬山荘
1泊2食 8600円 弁当 1200円 電話 0261-72-2002 |